■■この資料の趣旨■■
概要
- 「DX白書2023」は、「DX白書2021」の続刊としてIPAが刊行したものであり、日米企業アンケート調査結果の経年変化や最新動向、国内DX事例の分析に基づくDXの取組状況の概観、DX推進への課題や求められる取組の方向性などについて解説されている。
- 本要約資料は、DX白書2023を活用するために、DX白書2023で提示された内容の目次構成およびポイントを要約したものである。
- 本要約資料の内容は、今後随時更新していく。
- 具体的な内容は、DX白書2023の本文を参照していただきたい。
引用元
- DX白書2023【2023年2月9日IPA】
- DX白書2023 エグゼクティブサマリー【2023年2月9日IPA】
この要約資料の改版履歴
- 2023年2月20日 0.2.2版
- 2023年2月13日 0.1版
■■「DX白書2023」の概要(引用元:「IPA IT Knowledge Magazine vol.57」)■■
- 国内DXの取り組み状況を概観するとともに、「戦略」、「人材」、「技術」の面から日米企業のDX推進の現状や課題などを包括的に解説したもの。
- DXを進めるための具体的な対策検討の参考書として、ぜひご活用いただきたい。
- <DX白書2023の特徴>
- 新たに、国内のDX取り組み事例154件を分析し、「企業規模」「産業」「地域」等の軸で俯瞰図として可視化しました。これらの視点で、ご自身の状況やニーズに応じたDX事例を参照することができる。
- <調査結果の主なポイント>
- DXに取り組んでいる企業は69.3%と昨年度から13.5%増加。日本企業のDXはデジタイゼーションやデジタライゼーションの領域で成果はあがっているものの、顧客価値創出やビジネスモデルの変革といったトランスフォーメーションのレベルでは成果創出が不十分であることが分かった。
- DXを推進する人材が充足していると回答した企業は10.9%、(米国73.4%)。また、人材像を「設定をしていない」と回答した割合が40%を占め、米国2.7%に比べ、非常に大きな開きが見られる。
- 「SaaS」を活用する企業が40.4%と高く、米国と差が少ない一方で、「マイクロサービス/API」は21.1%(米国57.5%)、「コンテナ/コンテナ運用自働化」は10.5%(米国52.1%)と大きな差があり、特にスピード・アジリティ向上に必要となる手法・技術の活用が米国企業に比べて遅れている状況が明らかになった。
- 本書では、このほか、ユーザー企業へのインタビュー調査による事例紹介や有識者のコラムなどを掲載しています。要点をまとめた「エグゼクティブサマリー」も公開しているので、経営層をはじめ、あらゆるビジネスパーソンの方に読んでいただきたい1冊である。
■■「DX白書2023」エグゼクティブサマリー■■
- 戦略・人材・技術の情報を最新の内容にするとともに、DXの取組事例の分析から日本におけるDXの取組状況を俯瞰した調査を加えたDX白書2023を発行した。
- 掲載したアンケート結果は、とくに断りがない限りIPAが2022年度に実施した「企業を中心としたDX推進に関する調査」(以降、本書では「2022年度調査」と言う)によるものである。
- 第1章 国内産業におけるDXの取組状況の俯瞰
- 第2章 DXの取組状況
- 第3章 企業DXの戦略
- 第4章 デジタル時代の人材
- 第5章 DX実現に向けたITシステム開発手法と技術
- 第6章 「企業を中心としたDX推進に関する調査」概要
■■「DX白書2023」本編 目次■■
- 第1部 総論 001
- 第1章 国内産業におけるDXの取組状況の俯瞰
- 第2章 DXの取組状況
- 第3章 企業DXの戦略
- 第4章 デジタル時代の人材
- 第5章 DX実現に向けたITシステム開発手法と技術
- 第6章 「企業を中心としたDX推進に関する調査」概要
第2部 国内産業におけるDXの取組状況の俯瞰 039
- 第1章 総論
- 1 はじめに
- 2 調査方法
- 第2章 国内産業におけるDXの取組状況の概観
- 1 マクロ調査
- 2 DX事例調査
- 第3章 国内産業におけるDXの取組状況の俯瞰図
- 1 俯瞰図の概要とDX事例分類
- 2 企業規模別俯瞰図
- 3 産業別俯瞰図1
- 4 産業別俯瞰図2
- 5 地域別俯瞰図1(全国)
- 6 地域別俯瞰図2(都市圏・地方圏別)
- 7 他企業・団体協働類型別俯瞰図
- 第4章 まとめ
第3部 企業DXの戦略 081
- 第1章 DXの取組
- 1 はじめに
- 2 日米におけるDXの取組状況
- 第2章 DX戦略の全体像
- 1 DX戦略の全体像と立案のポイント
- 第3章 外部環境の評価と取組領域の策定
- 1 外部環境変化とビジネスへの影響評価
- 2 ビジョンと取組領域、推進プロセスの策定
- 第4章 企業競争力を高める経営資源の獲得・活用
- 1 組織づくり・人材・企業文化
- 2 ITシステム・デジタル技術活用
- 3 データの獲得と活用
- 第5章 成果評価とガバナンス
- 1 顧客価値提供視点での成果評価
- 2 ガバナンス
- 第6章 先進技術を使った新たなビジネスへの取組
- 第7章 まとめ
- 企業インタビュー1 株式会社GA technologies
- 企業インタビュー2 東京センチュリー株式会社
- 企業インタビュー3 株式会社日立製作所
- 企業インタビュー4 株式会社山本金属製作所
- 企業インタビュー5 Pitney Bowes(米国)
- 有識者インタビュー1 石川 順也(ベイン・アンド・カンパニー 東京オフィス パートナー)
- 有識者インタビュー2 入山 章栄(早稲田大学ビジネススクール 経営学博士 教授)
- 有識者インタビュー3 Dr. Marc Peter
第4部 デジタル時代の人材 155
- 第1章 日米調査にみるDXを推進する人材
- 1 はじめに
- 2 目指す人材像
- 3 DXを推進する人材の「量」「質」
- 4 DXを推進する人材の獲得・確保
- 5 キャリア形成・学び
- 6 DXを推進する人材の評価
- 7 企業文化・風土
- 8 まとめ
- 第2章 デジタル時代における人材の適材化・適所化に関する国内動向
- 1 はじめに
- 2 デジタル時代のスキル変革調査概要、IT人材総数の推計
- 3 IT人材の状況
- 4 IT人材の学びに対する企業の取組
- 5 IT人材の学び・スキル向上
- 6 転職(流動化)の実態と適職度
- 7 今後のIT人材の育成の学びのサイクルについて
- 企業インタビュー6 株式会社IHI
- 企業インタビュー7 凸版印刷株式会社
- 企業インタビュー8 株式会社日東電機製作所
- 企業インタビュー9 Bayer(米国)
- 企業インタビュー10 大手金融機関(米国)
- 企業インタビュー11 Henkel AG & Co. KGaA(ドイツ)
- 有識者インタビュー4 Robbie Lensen
第5部 DX実現に向けたITシステム開発手法と技術 245
- 第1章 あるべきITシステムの要件
- 第2章 ITシステム開発手法・技術
- 1 企画開発手法
- 2 システム開発技術
- 3 開発手法・技術の活用状況と課題
- 第3章 データ利活用技術
- 1 データ活用基盤技術
- 2 AI技術
- 3 IoT・デジタルツイン
- 4 データ利活用の状況と課題
- 企業インタビュー12 株式会社商船三井
- 企業インタビュー13 株式会社トプコン
- 企業インタビュー14 株式会社リョーワ
- 企業インタビュー15 Barings(英国)
- 企業インタビュー16 メーカー(米国)
- 企業インタビュー17 Nordea(フィンランド)
- 有識者インタビュー5 Kristian Sorenson(Norfico (デンマーク)、Founding Partner)
■■「DX白書2023」本編 要約■■
第1部 総論 001
第1章 国内産業におけるDXの取組状況の俯瞰
- 3 国内産業におけるDXの取組状況の概観(マクロ調査)
- (1) 企業規模別のDXの取組の現状
- 総務省「デジタル・トランスフォーメーションによる経済へのインパクトに関する調査研究」*1のプレ調査(以下、「総務省調査」と言う)によれば、大企業の4割強がDXに取組んでいるのに対して、中小企業では1割強にとどまっている。
- 独立行政法人中小企業基盤整備機構「中小企業のDX推進に関する調査 アンケート報告書」*2における従業員規模別の「DXに取組むに当たっての課題」では、従業員20人以下の中小企業の場合、「予算の確保が難しい」が最も高く、従業員21人以上の中小企業では人材や企業文化・風土に関する課題が1位から3位までを占めていた。
- (2) 産業別のDXの取組の現状
- 総務省調査では、「情報通信業」「金融業、保険業」でDXに取組んでいる企業の割合が5割前後と他産業と比較して高い(全産業平均は2割強)。
- また、株式会社帝国データバンク「DX推進に関する企業の意識調査」*3では、DXの「言葉の意味を理解し、取組んでいる」企業の割合について、「フィンテック(FinTech)の活用が活発になってきている『金融』(25.2%)や、ソフト受託開発など企業のDXを支援する『情報サービス』などを含む「サービス」(24.1%)で高い割合となった」と分析されている。
- (3) 地域別のDXの取組の現状
- 総務省調査では、東京23区に本社がある企業の4割近くがDXの取組を実施している一方で、政令指定都市、中核市、その他市町村と規模が小さくなるにつれて、その割合が低くなる結果となっている。
- また、株式会社エイトレッド「地方都市の中小企業のDX実態調査」*4では、DX推進を希望する企業が期待することとして「業務効率化」が80.4%と最も高く、次いで「生産性向上」が69.6%であり、「商圏の拡大」については5.4%にとどまっている。これに対し、同社が公表している「東京都の中小企業におけるDX実態調査」*5では「商圏の拡大」の回答割合が21.3%であり、地域による意識の違いがみられる。
- 4 DX事例の収集(DX事例調査)
- 5 国内産業のDXの取組状況の俯瞰図
- (1) 企業規模別俯瞰図
- 図表1-3 企業規模別俯瞰図(売上高別)
- (2) 産業別俯瞰図
- 図表1-4 産業別俯瞰図
- (3) 地域別俯瞰図(全国)
- 図表1-5 地域別俯瞰図(全国)
- (4) 他企業・団体協働類型別俯瞰図
- 図表1-6 他企業・団体協働類型別俯瞰図
- 6 まとめ
- DXの取組事例をみると、中小企業がデジタルを活用した事例や情報通信業が他産業のDXを推進する事例など、企業の工夫や企業間の連携により課題を解決しつつDXを推進する姿もみられた。
- 社会を変革するようなDX事例は大企業によるものが大部分であったが、地域社会の変革を志向する地域企業での取組もみられ、こうした取組のいっそうの広がりが期待される。
第2章 DXの取組状況
- 2 日米におけるDXの取組状況
- 図表1-7 DXの取組状況
- 図表1-8 DXへの取組状況(従業員規模別)
- 図表1-9 DXの取組の成果
第3章 企業DXの戦略
- 1 DX戦略の全体像
- 図表1-10 DX戦略の全体像と進め方
- 2 外部環境変化とビジネスへの影響評価
- 図表1-11 外部環境変化への機会としての認識
- 3 取組領域、推進プロセスの策定
- 図表1-12 DXの取組内容と成果
- 図表1-13 アジャイルの原則とアプローチ
- 4 企業競争力を高める経営資源の獲得・活用
- 図表1-14 ITに見識がある役員の割合
- 図表1-15 経営者・IT部門・業務部門の協調
- 図表1-16 DX推進のための予算確保状況
- 5 成果評価とガバナンス
- 図表1-17 顧客への価値提供などの成果評価の頻度
- 6 先進技術を使った新たなビジネスへの取組
- 図表1-18 先進的なデジタル技術を使った新しいビジネスへの取組状況
- 7 まとめ
- 日本企業はデジタイゼーションやデジタライゼーションの領域での成果はあがっているものの、顧客価値創出やビジネスモデルの変革といったトランスフォーメーションのレベルの成果創出は不十分であり、本来の目的「X=変革」に向けてさらなる取組の深化が必要である。
- また経営資源の獲得・活用の観点ではDXを推進する予算が継続的に確保されていない企業の割合が高く、またDXを推進するうえでリーダーシップをとる経営層のITについての見識が低く、経営層とIT部門・業務部門との協調も不十分であることは課題である。継続的な成果創出やガバナンスの観点では取組内容に応じた適切な成果評価の頻度の設定や見直しも必要である。
- 先進技術の活用に関しても米国企業は先進技術への感度が高く、DXに必要な「先んじて挑戦し失敗からも学ぶ」というやり方で、いち早く取組を進めていることがうかがえ、日本企業はマインドシフトや取組方の見直しを進めていくことが必要である。
第4章 デジタル時代の人材
- 1 はじめに
- DXを推進するために自社にどのような人材が必要となるか、具体的な人材像を設定し、それを社内に周知し、組織として目指す方向性についての共通理解が醸成されることが必要となる。
- 次にその人材像に当てはまる人材を社内から発掘・登用、また社外から獲得し確保をしていくことが必要となる。
- 獲得・確保した人材についてはDXを推進する人材としてのキャリア形成やキャリアサポートの施策、スキルアップするための育成施策や既存人材の学び直しなどにも取組むことが重要となる。
- DXを推進する人材に対しては既存の人材とは異なった評価基準が必要となるため、新たな評価基準の定義と定期的な評価の実施・見直しを行い、人材にフィードバックを行うことで人材の定着化を図ることも必要となる。
- DXが組織に根付いていくためには土壌となる企業風土・文化のあり方も重要であり、DXにふさわしい姿に変革していくことが求められる。
- 図表1-19 DXを推進する人材に関する取組の全体像
- 2 目指す人材像
- 図表1-20 DXを推進する人材像の設定・周知
- 3 DXを推進する人材の「量」「質」
- 図表1-21 DXを推進する人材の「量」の確保
- 図表1-22 DXを推進する人材の「質」の確保
- 4 DXを推進する人材の獲得・確保
- 図表1-23 DXを推進する人材の獲得・確保
- 5 キャリア形成・学び
- 図表1-24 DXを推進する人材の育成方法
- 6 DXを推進する人材の評価
- 図表1-25 DXを推進する人材の評価基準
- 7 企業文化・風土
- 図表1-26 DX推進のための企業文化・風土の状況(現在)
- 8 まとめ
- 日本企業はDXを推進する人材の人材像の設定・周知が出来ておらず、人材の質・量は2021年度調査と比べてともに不足が進んでいる。
- 人材の獲得・確保について米国企業は社外からの獲得手段を活用する割合が高く、日本企業も積極的な活用が必要と考える。
- 日本企業は米国企業に比べ、キャリア形成・学びに関する取組を組織として実施している割合が低い。
- また人材の評価について、日本企業では評価を実施する上の基本となる「評価の基準なし」が8割を占め、米国企業に比べDXを推進する人材施策の取組が出来ていない。
- DXの推進の土壌となる企業文化・風土についても現状ではDXに必要な要素が備わっている割合は低い状況である。
- 今回の調査結果から、全般的に「DXの推進において人材が課題」という状況が顕著にあらわれた結果となっており、取組の加速は急務であると考える。
第5章 DX実現に向けたITシステム開発手法と技術
- DXを推進するためにはビジネス環境の変化に迅速に対応できるITシステムの整備と社内外のシステム連携による競争領域の強化、ビジネス上のニーズに合致するデータ活用と分析が必要となる。
- 1 DXを実現するためのITシステムの要件
- 図表1-27 あるべきIT システムの要件
- 2 企画開発手法
- 図表1-28 ビジネスニーズに対応するためにITシステムに求められる機能(達成度)
- 図表1-29 ITシステムの開発手法・技術の活用状況(開発手法)
- 図表1-30 ITシステムの開発手法・技術の活用状況(開発技術)
- 図表1-31 レガシーシステムの状況
- 3 データ利活用技術
- 図表1-32 データの利活用の状況
- 図表1-33 データ利活用による「売上増加」効果
- 4 AI技術
- 図表1-34 AIの利活用の状況
- 図表1-35 AIの導入目的(複数回答)
- 5 IoT技術・デジタルツイン
- 図表1-36 IoTの利活用の状況
- 図表1-37 IoTの導入目的(複数回答)
- 図表1-38 デジタルツインの構築・活用(複数回答)
- 6 まとめ
- DXに関連する開発手法・技術に関し、日本企業は米国企業に比べ活用が遅れている
- 開発手法に関しては、とくにスピード・アジリティ向上に必要となる開発手法の活用が遅れている。
- 開発技術に関しては、SaaS・クラウドといった外部サービスの活用が進んできている状況がみられるが、開発手法と同様にスピード・アジリティ向上に必要となる開発技術の活用は米国企業に比べて遅れている。
- また、DX推進の足かせになるレガシーシステムについて米国企業と比べて日本企業は残存する割合が高くレガシーシステム刷新の遅れがうかがえる。
- これらの状況を踏まえると、自社や組織における競争・非競争領域の見極めを行い、競争領域の強化と非競争領域のコスト削減、それを迅速にITシステムに実装するために必要となる開発手法・技術の積極的な活用が望まれる。
- データ利活用技術については、日本企業はデータの利活用は進んでいるものの、売上増加やコスト削減など成果の創出にはまだ至っておらず、成果の測定もしていない企業が5割となっている。
- また、日本企業によるAI・IoTの利活用は米国企業と比べて遅れており、その導入目的において日本は業務効率化、米国は顧客価値の向上という違いがみてとれる。
- 日本企業は導入目的を社内向けから顧客・社外に向けていくこと、データの利活用領域の拡大と取組成果を測定し取組の改善・成果創出につなげていくことが必要となる。
第6章 「企業を中心としたDX推進に関する調査」概要
第2部 国内産業におけるDXの取組状況の俯瞰 039
第1章 総論
1. はじめに
2. 調査方法
第2章 国内産業におけるDXの取組状況の概観
1. マクロ調査
2. DX事例調査
第3章 国内産業におけるDXの取組状況の俯瞰図
1. 俯瞰図の概要とDX事例分類
2. 企業規模別俯瞰図
3. 産業別俯瞰図1
4. 産業別俯瞰図2
5. 地域別俯瞰図1(全国)
6. 地域別俯瞰図2(都市圏・地方圏別)
7. 他企業・団体協働類型別俯瞰図
第4章 まとめ
- 国内産業におけるDXの動向を俯瞰的に把握するため、公開されているアンケート調査などを基に、DXの取組の現状をマクロ的な視点から取りまとめた。
- さらに、DXへの取組の事例収集を行い、マクロ調査を基にしたDXへの取組状況の整理軸(企業規模、産業、地域)に基づいて事例をマッピングし、俯瞰図を作成した。
- 各種アンケート調査等からは、企業規模、産業、地域により企業のDXの取組状況が異なることが読み取れたが、DXの取組事例をみると、中小企業がデジタルを活用した事例や情報通信業が他産業のDXを推進する事例など、企業の工夫や企業間の連携により課題を解決しつつDXを推進する姿もみられた。
- 社会を変革するようなDX事例は大企業によるものが大部分であったが、地域社会の変革を志向する地域企業での取組もみられ、こうした取組のいっそうの広がりが期待される。
- 大企業では同業者や取引先、顧客を巻き込んだ大規模な事例がみられた。
- 業種別俯瞰図では、情報通信業が他産業のDXを推進する事例が見みられ、他産業が主導するDXの取組のサポートや協業などの役割がみられた。
- 地域別俯瞰図では、農業や森林調査など地域産業のニーズに応える事例、働き手の減少や高齢化といった地域における社会課題への対応といった事例もみられた。
- 今回の分析では、公表されたDXの取組事例を活用して俯瞰図を作成しているため、メディアに注目されたり企業がアピールしたりする成功事例が取上げられやすいが、その背景には、DXに挑戦したものの成功に至らなかった企業や、まだ取組めていない企業が数多く存在していると推定される。
- それらの企業が俯瞰図において、規模や産業、地域などが自社に当てはまる場所をみることで適した事例の参照、"デジタルオプティマイゼーション"から"デジタルトランスフォーメーション"への展開を検討するなど、DXの取組に役立てていただけることを期待したい。
第3部 企業DXの戦略 081
第1章 DXの取組
1. はじめに
2. 日米におけるDXの取組状況
第2章 DX戦略の全体像
1. DX戦略の全体像と立案のポイント
第3章 外部環境の評価と取組領域の策定
1. 外部環境変化とビジネスへの影響評価
2. ビジョンと取組領域、推進プロセスの策定
第4章 企業競争力を高める経営資源の獲得・活用
1. 組織づくり・人材・企業文化
2. ITシステム・デジタル技術活用
3. データの獲得と活用
第5章 成果評価とガバナンス
1. 顧客価値提供視点での成果評価
2. ガバナンス
第6章 先進技術を使った新たなビジネスへの取組
第7章 まとめ
- 企業インタビュー1 株式会社GA technologies
- 企業インタビュー2 東京センチュリー株式会社
- 企業インタビュー3 株式会社日立製作所
- 企業インタビュー4 株式会社山本金属製作所
- 企業インタビュー5 Pitney Bowes(米国)
- 有識者インタビュー1 石川 順也(ベイン・アンド・カンパニー 東京オフィス パートナー)
- 有識者インタビュー2 入山 章栄(早稲田大学ビジネススクール 経営学博士 教授)
- 有識者インタビュー3 Dr. Marc Peter
第4部 デジタル時代の人材 155
第1章 日米調査にみるDXを推進する人材
1. はじめに
2. 目指す人材像
3. DXを推進する人材の「量」「質」
4. DXを推進する人材の獲得・確保
5. キャリア形成・学び
6. DXを推進する人材の評価
7. 企業文化・風土
8. まとめ
第2章 デジタル時代における人材の適材化・適所化に関する国内動向
1. はじめに
2. デジタル時代のスキル変革調査概要、IT人材総数の推計
3. IT人材の状況
4. IT人材の学びに対する企業の取組
5. IT人材の学び・スキル向上
6. 転職(流動化)の実態と適職度
7. 今後のIT人材の育成の学びのサイクルについて
- 企業インタビュー6 株式会社IHI
- 企業インタビュー7 凸版印刷株式会社
- 企業インタビュー8 株式会社日東電機製作所
- 企業インタビュー9 Bayer(米国)
- 企業インタビュー10 大手金融機関(米国)
- 企業インタビュー11 Henkel AG & Co. KGaA(ドイツ)
- 有識者インタビュー4 Robbie Lensen
第5部 DX実現に向けたITシステム開発手法と技術 245
第1章 あるべきITシステムの要件
第2章 ITシステム開発手法・技術
1. 企画開発手法
2. システム開発技術
3. 開発手法・技術の活用状況と課題
第3章 データ利活用技術
1. データ活用基盤技術
2. AI技術
3. IoT・デジタルツイン
4. データ利活用の状況と課題
- 企業インタビュー12 株式会社商船三井
- 企業インタビュー13 株式会社トプコン
- 企業インタビュー14 株式会社リョーワ
- 企業インタビュー15 Barings(英国)
- 企業インタビュー16 メーカー(米国)
- 企業インタビュー17 Nordea(フィンランド)
- 有識者インタビュー5 Kristian Sorenson(Norfico (デンマーク)、Founding Partner)